華谷忍の妄想科学哲学

日々妄想した「もしこうだったら」「実はこうなのでは?」ということを徒然なるままに。非科学的であろうとも考えてみる。がモットー。

人間とAIの差(境界)について―[3]

『華谷忍の妄想科学』。

 科学的に正しくないことであっても、「こう考えたらどうなるのかな?」ということをただただ書き綴っていきます。

 

 これを読んで、考えることって楽しい。って思ってもらえればうれしいです。

 

 3テーマ目は「人間とAIの差(境界)について」というテーマで書いています。

 

 前回は、導入部分と本論をほんの少し書きました。

前回までの記事↓

人間とAIの差(境界)について―[1] - 華谷忍の妄想科学哲学

人間とAIの差(境界)について―[2] - 華谷忍の妄想科学哲学

 

 今回は、人間の脳とAIの関係に関する2つ目の場合について扱おうと思います。。

 

【目次】

 

《人間の脳とAIの関係》

② AIと人間の脳のとの間にある差が埋まることはない。
(AI≦人間の脳)


 ① で想定したのは、複雑かつ高度な電子回路を構築することができればAIは人間の
脳に追いつくか凌駕するということでした。

 では、今度はどんなに複雑かつ高度な電子回路を構築できたとしても、人間の脳に追いつく、または追い抜くことはできないという視点から考えてみたいと思います。


 まず、人間の脳に匹敵するような複雑で高度な電子回路をもった構造物を構築できたとしましょう。この時点で、①の仮説では人間の脳を再現できていることになります。ということは、電子回路は人間でいうところの“意識”を獲得できることになります。

 しかし、この②の場合ではそれはあり得ないことである。すると、当然理由付けが必要になってきます。人間の脳に追いつかない理由として考えられることを考えて挙げる必要が出てくるのです。理由について本稿では2つ扱いますが、一つ目を②で。二つ目を次の③(次回)で論じることにします。
 AIが人間の脳が持つような複雑かつ高度な電子回路を再現できたとしても、AIはそこに追いつくことができない。という仮定で話を進めるのであれば、今回のテーマである“意識”というものは、電気信号のやり取りによって生まれているものではないということが予測できます。

 仮に、電気信号のやり取りで“意識”が生まれるのであれば、①の話と同じことを言っていることになってしまうのです。


 では、電気信号のやり取りではない形で“意識”が生まれるのなら、その要因として真っ先に挙がるのが何らかの物質による影響です。

 そこで、冒頭で少しだけ出てきた神経伝達物質にスポットライトが当たります。どうしても電気信号を伝達できないところで、電気信号を離れたところに飛ばすための手段として使われるのが、神経伝達物質です。

 その物質に何かしらの役割があるのではないかとここでは推測したいと思います。今回のテーマに関して役割が与えられているとすれば、それは以下のように考えられます。

 

 単なる電気信号を媒介している神経伝達物質が存在していて、電気信号が神経伝達物質に変換されて飛ばされる時に、“意識”の根源となるものが生まれているのではないか。

 

 可能性として推測できるのは、その神経伝達物質、またはそれを産生する脳内の器官が何か役割を持っているということです。神経伝達物質にはドーパミンやアドレナリン、ノルアドレナリンセロトニンなど日常生活でもテレビなどで聞いたことあるような名前の種類がありますね。
 ここで、一つ取り上げてみたいのがセロトニンうつ病になった人だったり、身近にそんな人がいる場合は聞いたことがある名前かもしれません。選択的セロトニン再取り込み阻害薬SSRI)なんてものがうつ病の治療に使われるからです。この薬は、名前の通りセロトニンの再取り込みを阻害する薬なのですが、セロトニンの役割を見るとなぜうつ病患者にそれが必要なのかが見えてきます。

 セロトニンは適度な緊張を与えたり、情緒の安定に関わるような物質なので、うつ病患者にはそれが不足していることになります。ですから、うつの状態になるのです。そのセロトニンが再取り込みされてしまうと、シナプス(簡単に言えば神経伝達物質を放出するところ)の中のセロトニンの量が少なくなります。セロトニンが少なくなると抑うつ状態になるのだから、セロトニンの量を増やせば抑うつ状態は改善されるのではないか。つまり、再取り込みを阻害してシナプス内にとどまらせればいいのではないか。というのがこの薬の狙いなのです。


 だいぶ話が逸れましたが、ここで言いたいことは、神経伝達物質の量で人間の性格に影響を及ぼすことがあるということです。

 つまり、“意識”の性質が変化する。ということにほかなりません。神経伝達物質が完全にストップすれば、電気信号の伝達は為されなくなる。つまり、人間の脳は活動を停止する=“意識”というものが存在し得なくなると考えられます。

 こう考えれば、神経伝達物質が“意識”のあるなしに影響を及ぼす可能性があることが見えてくると思いませんか?

 

 以上のように、神経伝達物質が人間の性格=“意識”の性質を変化させ、神経伝達物質がすべて完全にストップすれば人間脳は機能を停止する=“意識”も存在しなくなる。つまり、神経伝達物質が“意識”の成り立ちに一役買っている可能性を否定できない状況があってもおかしくない。ということになります。


 では、AIでも神経伝達物質を用いれば人間の脳と同じように“意識”を獲得するのか、という話が出てくる可能性もありますが、完全にAI単体の中で生成から分泌、その後の処理に至るまでのプロセスを処理することができれば、②の前提から考えて可能性としてはあり得ますが、現実的にそれはかなり難しいのではなかろうかと感じます。

 この②では、このように神経伝達物質に絞ってではありますが、人間の“意識”に電気信号のやり取りではない要素が絡むことを想定し得る以上、AIは人間の脳には絶対に追いつけないという考え方もできるのすです。

 

 以上、今回は人間の脳とAIの関係について2つ目の場合を考えてみました。

 次回は3つ目についての考え、述べてみようと思います。

 

 

華谷 忍

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今までのテーマの第一回目(2つ)

shinobu-hanaya.hatenablog.com

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