人間とAIの差(境界)について―[1]
『華谷忍の妄想科学』。
科学的に正しくないことであっても、「こう考えたらどうなるのかな?」ということをただただ書き綴っていきます。
これを読んで、考えることって楽しい。って思ってもらえればうれしいです。
3テーマ目は「人間とAIの差(境界)について」というテーマで書いていきたいと思います。
【目次】
《導入》
2020年現在、AI(artificial intelligence)は、非常に注目され、実用化がすすめられています。その典型が、Softbank社のPepper君です。彼(あえてこの言い方をする)は、我々人間の行動に対して反応をし、質問をされれば答えを返してくれる。もちろん、それは完全に思考されたものではないけれども・・・。
しかし、彼自身が自分の持つ人工知能から導き出して音声信号として発している以上、プログラミングされたものとはいえ彼自身の反応であるといえます。また、Deep Mind社の囲碁のAI「Alpha Go」が2016年に話題になったことがAIに関する記憶でよく残っているという方も多いと思います。
この対戦用ソフトは、韓国人のプロ棋士を打ち負かしました。19路盤で繰り広げられ、碁石に特に個々の役割があるわけでもない。筆者もかじったことがあるゲームですが、初心者である私には白黒の意思が繰り広げる陣取りゲームを理解することはとても難しかった(真剣に勉強していないのもあるけれど・・・)。
あの複雑な陣取りゲームでAIがプロ棋士に勝利したというのは驚異的な出来事だと思いませんか?
研究が進んでいるAIは、今後も発展を続けると思いますし、我々の生活に深く入り込んでくるに違いないと考えられます。事実、2020年現在は鉄道や飲食業界でロボットが今まで人間が行っていた役割(駅員やウエイター)を担うような事例も出てきています。
そのうち、持ち主の思考回路完全に学習して何もかも先回りしてやってくれる時代が来るかもしれません。あくまで、かもしれない…。という程度ではあるけれど、実現可能性はかなり高いように実感としては感じます。
今回述べたいのは、そんな驚異的な発展を遂げるAIと人間の違い(境:さかい)についてです。
「何を言っているのか。ロボットと人間なんだからそりゃ違うだろ」といいたくなるかもしれませんが、次項から真剣に論じていきたいと思います。
《人間とAIの境》
さて、本題に移っていきます。今回、考えたいのは「人間とAIの境」である。境とはどういうことか。それも含めて考えていきたいと思います。
そもそも、AIとは“Artificial intelligence”という言葉の通り、AI(人工知能)は人工的なものです。AIは人間があれやこれやと電子回路を組み合わせて開発したものにプログラミングをしたものです。
つまり、彼らAIの思考に介在しているのは電気信号だけであることは想像に難くないと思います。さて、ここで考えてみてほしいことがあるます。それは、人間の脳の仕組みについてです。
人間の脳も実は基本的には電気信号のやり取りで動いているのです。厳密には、シナプス間隙と呼ばれる隙間などでは電気信号ではない手段(神経伝達物質)で電気信号を伝達していますので、“電気信号のやり取りで”というのは語弊があるのですが、基本的には樹状突起や軸索で構成されている非常に複雑なシステムを電気信号が駆け巡ることで我々の脳は機能していると理解して差し支えないといえます。
ただし、別の記事でも扱う予定ですが脳とAIとの関係についての議論では、神経伝達細胞について言及していきます。しかし、この段階で議論を煩雑にしたくはないため、電気信号のみでやり取りがなされていると定義しておこうと思います。
今回は以上です。
次回は、ここで感じた疑問について述べていこうと思います。
華谷 忍
今までのテーマの第一回目(2つ)